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百合の華は永遠に
第4章 私と彼の8日間~新たな敵~
「あ、ミナト!」
女湯の暖簾をくぐると、ちょうど男子二人も出てきた所だった。
マサキ君が田所君の後ろでムスッとしている。
(ああ..浴衣..ちょっとはだけてる....)
綺麗な胸板が少し見えていて、私は吸い寄せられるようにして近づいていった。
マサキ君が顔をあげて私を見る。
一瞬緩んだ顔を見て喧嘩してることに気づいて、慌てて立ち止まった。
(いけないいけない!いつもの癖が....)
できるだけ自然にマサキ君から顔を逸らそうとした。
しかしそんな高度なことができるはずもなく、思いっきり顔を逸らしてしまった。
(あが!!やばい....これはあからさますぎた..)
案の定、マサキ君がムッとした低い声で
「田所、部屋行くぞ。」
というと、田所君の後ろ襟を掴んで引きずるように先に部屋に向かって行ってしまった。
「えっ!あ、おい!里、榊原おやすみ!」
「お、おう、おやすみ。」
「お、おやすみなさぁい....」
ああ....泣きそう。