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百合の華は永遠に
第1章 百合の華は永遠に

「いいや、わかっとらん!」

俊介が勢い良く立ち上がって叫んだ。

「分かってる!俊介の気持ち分かってるけど、仕方ないじゃん!」

「仕方なくないわ!」

久しぶりに怒鳴る俊介に私はびっくりして言い返せなかった。
そんな私を見て、ちょっとうつむくと玄関のほうに向かっていった。

「か、帰るのっ?俊介…」

「…帰る。」

そういうと、俊介は黙って靴をはいて私を振り返らずにドアノブに手をかけた。

「なんで怒ってるのよ!私だって別にいきたくて行くんじゃ…」

「せめて、一回断るとか、言い返すとか、あるやろ。」

俊介は低い声で言って私を振り返った。

「お義母さん言うてた。百合は案外あっさり引き受けたからびっくりしたって。」

「だってお父さんが決めてたことだし…」

「…ほんならそのまま大好きなお父さんに決めてもろた人と一緒になったらええやろ。」

そういうと、家から出て行ってしまった。
閉まりかけた扉に私は思わず叫んだ。

「しゅっ…俊介のばかやろう~~!!」

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