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百合の華は永遠に
第1章 百合の華は永遠に
「普通、勝手に婚姻届出してきて..友達に彼氏連れて来させて、自分の見合いに乱入させるなんて楽し..おっと失礼..頑固極まりないことする娘はいませんよ、お父さん。」
「....」
「それにもう夫婦みたいだし...お父さんの負けですよ....んーっ!これ美味しい!百合、いらないならちょうだい!」
「へっ?え、あ、うん..どうぞ..」
呆気にとられているお父さんに構わず、食べ始めたマキのおかげで空気が変わった気がした。
「あの..お義父さん、お義母さん..」
俊介が二人を見て口を開いた。
私も隣で背筋を正して二人をみた。
「改めて..伏見百合さんを..僕にください。」
「お父さん、お願い。」
二人で頭を下げる。
沈黙が下りる中、マキのフォークの音だけがやけに響いていた気がしたー