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百合の華は永遠に
第2章 元ヤンだって恋をする
もってきた水を飲むように言われて、私は放心したまま素直に飲んだ。
そして唇につめたいコップを押し付けるよう指示されると、その通りにした。

「大丈夫?」

「…お、おま、な、」

「…?あっ、ごめん、いつも妹がヤケドしたらこうしてて…俺、手が冷たいんだ。嫌だったよな?つい…」

「い、嫌なんて…いってねぇ…けど…」

嫌というより、何が起こってるのかわからなかったし何より恥ずかしくて、胸がドンドン叩かれてるみたいで苦しかった。
とりあえず、顔が熱い。

「…俺、ついやっちゃうんだよね…榊原のときもそうだったし…」

苦笑する田所の姿に、なんだか今度は胸が締め付けられるようだった。

(そうだ…こいつは梓が好きなんだった…梓かわいいもんな…私とは正反対だ。)

梓は大好きだけど、いつも勝てない自分に腹が立つ。
そんなことを考えて落ち込んでいると、田所が首をかしげた。

「どうした?」

「…いや…まあ…」

「榊原のこと?アイツに何かあったの?」

真剣な顔で聞かれて私は思わず笑ってしまった。

(ああ…いいなあ~梓…心配してくれる奴がいて…こんなに想ってくれる奴がいて…)

「なに?北村さん?」

段々涙があふれてきた。

「えっ!ちょっと、北村さん!?どうしたの!?」

「ふっ…ぐっ…」
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