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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第2章 肉体観察
「座らないの?」

女神のような神々しさすら感じるその肉体に、圧倒されていた裕樹はその言葉で時間を取り戻す。

「あ、いや…デカすぎて見惚れてた。」

「いつも見てるのに、飽きないね。」

少し咎めるような口調で葵はそう言った。

机に押し付けられた胸を見て、触れなくても柔らかさが伝わってくる。

黒の絹糸のような髪の毛、大きなアーモンドのような瞳、自分より少し日焼けしている小麦の肌色の腕、記号のような曲線を描くボディライン、陶器のようにスベスベな脚。

男の視線を集める為に生まれてきたような人だと裕樹は思った。

「人混みでもずっとおっぱいを観察してるでしょ。」

この間否定した問答がまた葵から投げられる。

「三原さんのおっぱいは確かに見ていたけど、どうして人混みを歩く人のおっぱいも見てるって分かるの?」

初めて葵に声をかけられた時、咄嗟の事で否定するしかなかった裕樹だが、言われてみるとなぜそれが分かるのか。それが疑問だった。

「兎谷くんの目の動きを見ていれば分かるし、ガラスに映っていたおっぱいの大きい女の人を見てた時に、兎谷くんと目が合ったから。」

直接見ていなくても、視線は感じ取られる…なるほどなと裕樹は思わず納得してしまう。

「でも三原さんは女子だけど、女の人のおっぱいも見るの?」

「見るよ。兎谷くんみたいに興奮したりしないけど。おっきいな〜って見ちゃう。」

豊満な胸の持ち主が、同性の同じ身体の部位に興味を持つことがあるのか、と関心と驚きがあった。

「三原さんより大きい人、見たことないけどな…」

高校生だけじゃなく、大学生や社会人ですら、葵に匹敵する凶器を備えている人はいない。

最近多くなってきた外国人観光客にはいるかもしれないな、と裕樹は思った。
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