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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第14章 快楽のトリガー
楓が裕樹の頬に手を触れると、胸に顔を埋めていた裕樹が面を上げる。

二人の視線がぶつかると、柔らかい笑みを浮かべながら、ゆっくりと目を瞑り、柔らかそうな唇が迫ってくる。

裕樹もそれを受け入れるように目を瞑って、二人の唇はほんの少しだけ重なった。

小鳥がついばむような軽いキスは一度では終わらず、二度、三度と、湿った音を立てて繰り返される。

触れるたび、互いの唇の柔らかさと温度が確かめ合うように深まり、次第に貪るように激しさを増していく。

やがて二人は、まるで示し合わせたように同時に舌を伸ばし、柔らかな舌先が絡み合った。

舌のざらりとした表面、混ざり合う湿った音が口腔から頭の奥へと響き、裕樹の体を内側から震わせた。

喉、胸、そして下腹部へと、電流のように熱が走り抜ける。

ひとりでに身体が震えて、裕樹の舌は意志より先に楓の舌へ応えるように動いていた。

恋人のキスのような、愛情を確かめ合うものではない。

これは体を昂らせるための手順なのだと、裕樹はそこで確信する。

その理解に引っかかるように、葵との記憶がふっと浮かぶ。

プレーパークでの夜──

一度だけ唇さえ奪ってみたい衝動が湧いたことがあった。

好きだとか、愛おしいとか、そういう感情ではなかった。

欲していたのは葵そのものではなく、この電流のような熱を引き起こすやり方だったのだと、今なら言える気がした。

舌が絡むたびに、熱が身体のどこかを焼くように広がり、貪るような深いキスはすでに、肉体関係の始まりを告げる。

その事実を思うほど、興奮は抑えようがなかった。
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