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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第2章 肉体観察
放課後になって葵と裕樹は特に会話も交わさず、金曜日と同じ美術部の備品室に入る。

葵は前回と同じように、机に伏すような体制で胸をそこに押し付けた。

葵の夏服にニットベストを纏う姿は、お馴染みのシルエットとして定着していた。

葵がどんなブラジャーを身に付けているかは、ニットベストによって徹底的に守られていて、男子は誰もそのニットの鎧の下がどうなっているのかを知ることは不可能だった。

裕樹は更なる妄想のリアリティを求めるべく、一つの提案を葵に問いかける。

「ニット、暑くないの?脱げば…?」

建前は葵への暑さを気遣って。本音は白シャツから透けるブラジャーの色を確かめるため。

ニットベストを取っ払うことで、その凶悪な曲線美の解像度を上げるためだ。

裕樹からの提案が意外だったのか、そのアーモンドの瞳が一瞬見開いた。

その瞳を細めるようにゆっくりと瞬きをする。

「本当にそう思ってる?」

「…半分本当。」

葵は少しだけ眉を上げて、すぐに戻した。

口元が少しだけ動き、呼吸で胸がゆっくり膨らむのが分かった。

葵は否定も肯定もせず、伏していた机からスローモーションのようにゆっくりと体を起こす。
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