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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第16章 抗えない誘い
あの日の続き──
行きたくないが、行きたい。
社会人になって、誰も甘やかしてはくれないし、簡単に甘えることもできない。
だが、ナツの前だけは違う。
断るために理由を積み重ねるほど、裕樹の心はクローブヒッチの結び目のように、きつく、逃げ場を失っていく。
いつの間にかナツの誘いに抗えなくなり、気付けば五反田へ向かう電車に乗っていた。
電車の窓に流れていく景色を見ながら、裕樹は6年前の公園の夜のことを思い出していた。
プレーパークに行く前の待ち合わせの際、葵は何も口にはしなかった。
重たい足取りで、指定した待ち合わせ場所に来て、裕樹とあの小屋へ入って行った。
ナツが言うように、拒む理由がなかったのだとしたら──
ココを助けたお礼や、断りづらい状態というのを口実に、抗えない誘いに乗ったのなら。
(あの時の葵も…こんな感情だったのか?)
そんなことを思いながら、五反田駅に降り立ち、ナツが待つ場所へと向かう。
多くの人が行き交う駅前を通り過ぎ、線路沿いに歩いて行く。
人の通りが少なくなっていき、青いコンビニの下にナツは立っていた。
「こんばんは。急に呼び出しちゃったのに、きてくれて嬉しい。」
ナツと挨拶を交わした瞬間、裕樹の頭の中であの日の出来事がフラッシュバックした。
何日も日が空いたはずなのに、昨日の出来事のように、ぐいっと首根っこを掴まれて引き戻される感覚があった。
ナツの服装は、肌の露出もなければ、身体の輪郭がはっきりするようなものでもなかった。
ただ、その中身を知っている裕樹は、見えないはずの身体を、頭の中でいとも簡単になぞってしまう。
外で会っただけのはずなのに、それだけで身体が反応し、僅かに前のめりになった。
そのままコンビニで買い物をし、ナツが指定したホテルへと入る。
前回のお城のようなホテルとは異なる見た目で、綺麗なタワーマンションのような佇まいだった。
エントランスに入ってから、部屋に入るまでの記憶は、所々曖昧で──
確かなことは、ナツの気分を昂める儀式に、裕樹は抗う暇すら与えられなかった。
行きたくないが、行きたい。
社会人になって、誰も甘やかしてはくれないし、簡単に甘えることもできない。
だが、ナツの前だけは違う。
断るために理由を積み重ねるほど、裕樹の心はクローブヒッチの結び目のように、きつく、逃げ場を失っていく。
いつの間にかナツの誘いに抗えなくなり、気付けば五反田へ向かう電車に乗っていた。
電車の窓に流れていく景色を見ながら、裕樹は6年前の公園の夜のことを思い出していた。
プレーパークに行く前の待ち合わせの際、葵は何も口にはしなかった。
重たい足取りで、指定した待ち合わせ場所に来て、裕樹とあの小屋へ入って行った。
ナツが言うように、拒む理由がなかったのだとしたら──
ココを助けたお礼や、断りづらい状態というのを口実に、抗えない誘いに乗ったのなら。
(あの時の葵も…こんな感情だったのか?)
そんなことを思いながら、五反田駅に降り立ち、ナツが待つ場所へと向かう。
多くの人が行き交う駅前を通り過ぎ、線路沿いに歩いて行く。
人の通りが少なくなっていき、青いコンビニの下にナツは立っていた。
「こんばんは。急に呼び出しちゃったのに、きてくれて嬉しい。」
ナツと挨拶を交わした瞬間、裕樹の頭の中であの日の出来事がフラッシュバックした。
何日も日が空いたはずなのに、昨日の出来事のように、ぐいっと首根っこを掴まれて引き戻される感覚があった。
ナツの服装は、肌の露出もなければ、身体の輪郭がはっきりするようなものでもなかった。
ただ、その中身を知っている裕樹は、見えないはずの身体を、頭の中でいとも簡単になぞってしまう。
外で会っただけのはずなのに、それだけで身体が反応し、僅かに前のめりになった。
そのままコンビニで買い物をし、ナツが指定したホテルへと入る。
前回のお城のようなホテルとは異なる見た目で、綺麗なタワーマンションのような佇まいだった。
エントランスに入ってから、部屋に入るまでの記憶は、所々曖昧で──
確かなことは、ナツの気分を昂める儀式に、裕樹は抗う暇すら与えられなかった。

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