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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第16章 抗えない誘い
「汚いなんて、思ってないよ。裕樹が……私で興奮した証だもの。」

ナツはそう言って、腹部に伝った白濁液を、人差し指で触れ、その感触を確かめているようだった。

「今度は私の番。キスマーク、付けてもいい?」

ナツは裕樹の太ももの付け根に指を触れながら、上目遣いで視線を合わせる。

「いいけど……、キスマークってどうやって付けるの?」

裕樹の問いに、ナツは僅かに目を細め、その視線のまま、ゆっくりと太ももに顔を近づける。

近づくにつれて、ナツの息遣いと体温を感じて、少しだけ身体に力がこもる。

これから何が始まるのか分からない、その曖昧さが胸をざわつかせる。

柔らかな唇が最初に触れて、くすぐったさとじわっと広がる熱が同時に伝わってくる。

舐められているような、吸われているような曖昧な気持ち良さに、裕樹は思わず息が漏れた。

やがてナツが顔を上げると、赤く滲んだ楕円形の痣が残っていた。

「こうやって残すの。」

赤くなったその場所は、僅かに熱を帯びていて、裕樹は自身の身体に刻まれたのだと、はっきり感じ取った。

熱が引いても、焼印のようにナツの体温を思い出せるような──

(これがキスマーク…。前にもどこかで…?)

そんなことを考えていると、ナツに手を引かれ、シャワーで身体を洗い直すことになった。

シャワーの下で身体を洗おうと、手のひらにボディソープを付けた時だった。

裕樹の指先が痣に触れた刹那、ナツの唇の柔らかさや、先程までの熱が、皮膚の奥からにじみ出るように蘇った。

記憶ではなく、リアルな感触。

頭で思い出すよりも先に、身体が勝手に反応してしまう。

六年前、背中に残された葵の爪痕を、鏡で見た時も同じだった。

あの夜の息遣いも、嬌声も、温もりも、緊張も、爪痕が消えるまで鮮明に呼び戻されてしまう。

(キスマークも同じだ…。)

この痣も残り続ける限り、その瞬間、その出来事を、リフレインさせる。

裕樹にとってはどの記憶も、薄れていくのが名残惜しいほど生々しくて、身体の奥にしまっておきたいものだった。

爪痕や痣のことを考えているうちに、シャワーは気づけば終わっていた。

ナツの声も、水音もそこにあったはずなのに、その記憶は水彩絵の具のようにぼやけている。
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