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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第2章 肉体観察
「さっき私の暑さを気遣ったのは半分当たりって言ってたけど…。もう半分はなに?」

裕樹はそれを追求してくるか、と言わんばかりに一瞬顔を顰めて

「ブラジャー、何色か透けてるところ見たかった…。」

と小さな声で言った。

葵は鼻で小さく息を吐く。言葉は何も発しなかったが、やっぱりね、と言わんばかりにこちらを見つめて深く椅子に腰掛ける。

肉体観察をする裕樹を観察するように葵は裕樹の瞳を覗き込む。

裕樹は葵としばらく目が合ったが、さながら引力のように胸元へと視線は惹きつけられてしまった。

「…で、何色が好みなの?」

質問をしている葵自身が一番興味がなさそうに裕樹にそれを問いかける。

「黒とか濃い青色とか紫が好きかな…今日みたいな淡いピンクも好きだけどね。」

「ふぅ〜ん?」

家のタンスの中身をどこか思い浮かべているかのような、そんな表情を葵はしていた。

「そういうブラジャーは持ってる?」

持っているなら着てきて欲しいという願望を含んで裕樹は葵に問いかける。

「さあね。」

裕樹の願望をいち早くへし折るような速さで答えた。

キラキラしていた裕樹の目が、おやつを取り上げられた子犬のように曇ってしまったのと見兼ねたのか

「それは観察していけば分かるんじゃない?」

と一言付け加えた。

その一言には今後もこの関係を続ける事を肯定したと捉えて、裕樹の瞳はまた輝きを取り戻した。
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