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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第17章 背徳のドライブ
「じゃあ最初の質問──」
裕樹は指先でナツの耳たぶに触れ、ゆっくり首筋を伝うと身体が僅かに強張る。
身体の輪郭をなぞるようにしながら最も傾斜がある部分に指を沈み込ませる。
「こうやって質問されながら、触られるのってどんな気分?」
答えようと唇を僅かに開いた時、震えがあったように見えたが、受け答えははっきりしていた。
「意地悪されてるみたいで……ちょっとゾクゾクしちゃう。」
「へぇ……。意地悪されるのが好きなんだ?」
裕樹の声はいつもよりワントーン低くなり、背中に回した指先が布地の縁をなぞった。
ゆっくりとさり気なく外したはずだった。
それなのに、妙に大きい音になって車内に響いた。
「あんっ、ちょっと……運転中で逃げられないって裕樹が分かってるのに触るから……。」
服の上からたくし上げるように触れると、硬くなった蕾が手の甲に当たった。
「なんかいつもナツにリードしてもらってたから、ちょっと気分が良いかも。」
ナツの瞬きが重たくなり、ハンドルに添えられた右手の指が僅かに緩む。
それでも車は、左車線に沿って走り続けていた。
「あ、そしたら二つ目の質問。ナツはS?M?どっち?」
「サドかマゾ……。んー……私は──」
その続きを遮るように、乾いた電子音が車内を裂いた。
密着していた空気が、蜘蛛の子を散らすように散り散りになる。
ナツの視線が刹那、下に落ちた。
サイドブレーキの脇で振動するスマートフォンが、暗い車内で淡く光っている。
裕樹の手は離れないまま。
「出なくていいの?」
裕樹がそう尋ねるも、ナツはスマートフォンの方を横目で見たまま答えない。
「うん、今は大丈夫。」
「そっか…。」
(この時間に電話って、誰?)
着信音は数回鳴った後、振動と共に止まった。
その瞬間、車内は急に広くなった気がした。
ナツの柔らかな膨らみに触れたままなのに、先ほどの続きの言葉が見つからない。
ラジオは交通情報を流しているようで、インター、ジャンクション、事故処理──
抑揚のない単語だけが流れていく。
「それで……?」
横顔のままのナツの声には、着信のことなど気にしていないような軽さがあった。
「ん?」
裕樹は指先でナツの耳たぶに触れ、ゆっくり首筋を伝うと身体が僅かに強張る。
身体の輪郭をなぞるようにしながら最も傾斜がある部分に指を沈み込ませる。
「こうやって質問されながら、触られるのってどんな気分?」
答えようと唇を僅かに開いた時、震えがあったように見えたが、受け答えははっきりしていた。
「意地悪されてるみたいで……ちょっとゾクゾクしちゃう。」
「へぇ……。意地悪されるのが好きなんだ?」
裕樹の声はいつもよりワントーン低くなり、背中に回した指先が布地の縁をなぞった。
ゆっくりとさり気なく外したはずだった。
それなのに、妙に大きい音になって車内に響いた。
「あんっ、ちょっと……運転中で逃げられないって裕樹が分かってるのに触るから……。」
服の上からたくし上げるように触れると、硬くなった蕾が手の甲に当たった。
「なんかいつもナツにリードしてもらってたから、ちょっと気分が良いかも。」
ナツの瞬きが重たくなり、ハンドルに添えられた右手の指が僅かに緩む。
それでも車は、左車線に沿って走り続けていた。
「あ、そしたら二つ目の質問。ナツはS?M?どっち?」
「サドかマゾ……。んー……私は──」
その続きを遮るように、乾いた電子音が車内を裂いた。
密着していた空気が、蜘蛛の子を散らすように散り散りになる。
ナツの視線が刹那、下に落ちた。
サイドブレーキの脇で振動するスマートフォンが、暗い車内で淡く光っている。
裕樹の手は離れないまま。
「出なくていいの?」
裕樹がそう尋ねるも、ナツはスマートフォンの方を横目で見たまま答えない。
「うん、今は大丈夫。」
「そっか…。」
(この時間に電話って、誰?)
着信音は数回鳴った後、振動と共に止まった。
その瞬間、車内は急に広くなった気がした。
ナツの柔らかな膨らみに触れたままなのに、先ほどの続きの言葉が見つからない。
ラジオは交通情報を流しているようで、インター、ジャンクション、事故処理──
抑揚のない単語だけが流れていく。
「それで……?」
横顔のままのナツの声には、着信のことなど気にしていないような軽さがあった。
「ん?」

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