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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第3章 夜に宿る浸潤
コンビニの前まで葵と一緒に移動して、2つに分けられるチューブ型のアイスを買った。

先にベンチに腰掛けていた葵に、片方のチューブをちぎって渡す。

「ありがとう。」

葵はお礼を言って、それを受け取る。

裕樹もアイスを口に含んで、ベンチに座る飼い主の横で大人しくしている葵の愛犬の姿を見る。

目が合って撫でようと手を伸ばすと、また尻尾を左右に振ってくれる。

「昔さ、うちにも同じ種類の子がいたんだ。そいつに似てたから、びっくりしたよ。」

「だから急に駆け寄って行ったんだね。この子、自分のことを好きだと思ってくれる人のところにしか行かないから…。それがまさか兎谷くんだったとは思わなかったけど。」

教室で纏うような氷の雰囲気は一切なく、同じ犬種を愛する所謂犬オタクと意気投合して葵は楽しそうな様子だ。

「名前はなんでいうの?」

「ココだよ。女の子。」

ココ〜、と名前を呼びながら裕樹は撫でる。ココも変わらず上機嫌で裕樹の足に体を擦り付ける。

体が小さいのでそこまで力は強くないが、時々押されてバランスを崩しそうになる。
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