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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第18章 泥濘の揺籠
「ありがとう、裕樹。すごい……気持ちよかった……。」

裕樹の髪を手でとかすようにしながら、ナツはわしわしと頭を撫でる。

「目隠しも……寝バックも……初めてだったけど、やばいね。ハマっちゃいそう。」

「目隠しした時のナツ、すごく敏感になったよね。シーツの音で身体が反応してた。」

「だって……どこから触られるのか分からない状態だったから……。音がするたびにどこから来るのかなって思ってた。」

「あそこからもうゾーンに入ってたよね。どこ触ってもびくびく〜って反応するからさ。もう止められなくなっちゃって。」

裕樹がわざとらしくシーツを爪で引っ掻く音を立てると、ナツは裕樹の肩を軽く叩き「やだもう。」と言って笑った。

「裕樹と出会ってから、更に感度上がってる気がする……。」

「そう言われると、嬉しいかも。」

裕樹は無意識に口元が緩むのを感じて、思わずナツのデコルテに顔を伏せる。

「でもそうなのかもね……今日のナツは前にホテルで会ってた時とは違ったよ。」

「え、どんなふうに?」

「寝バックする前くらいかな。先っぽにコツコツってなにかコリコリしたものが当たる感覚があってさ。あれ確か、ポルチオって言うんだっけ。」

小説を書くために調べた時の知識を口にして、裕樹は優越感に浸っていた。

「コツコツ当たる感覚……。」

そう言うナツの瞳は天井に逃げて、上瞼の下に白い三日月が覗く。

肉体の秘密の答え合わせを待つように、裕樹は自然と口角が上がっていく。

「よく分かんないけど……多分、子宮が降りてきちゃったのかも。」

「え……。そういうのって……本当にあるの?」

「あるよ。相性が良いと身体が赤ちゃんを欲しくなっちゃうんだろうね……。」

艶めく光る瞳で、ナツは微笑みながら裕樹の頬に手を触れた。

(それ……エロすぎるでしょ……。)

女性の身体のことを何一つ理解していなかった無知の恥ずかしさか、はたまた垣間見えた雌の本能を目の当たりにしたせいか。

涼しい風に冷まされた身体の奥から、導火線へ火を付けたような勢いで熱が駆け上がり、顔を火照らせた。

裕樹は僅かに止めていた息を吐くと、身体の力が抜けたせいか、不意に尿意を意識する。

「ちょっとトイレに行ってくる。」

渡りに船と言わんばかりに、裕樹はベッドから逃げるように立ち上がった。
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