この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第18章 泥濘の揺籠
一階に降りると、廊下は藍色の暗がりに包まれていた。
奥に続くリビングは、和室で付けっぱなしにしていた行灯の光がぼんやりと漏れ出している。
足を止め、その灯りを眺めていると、思考が少しずつ現実から乖離していく。
身体が赤ちゃんを欲しくなっちゃうんだろうね──
ナツの言葉が脳震盪のように頭の中で揺れ響いていて、無意識に呼吸が浅くなったのを感じる。
その無垢な感想が、かえって裕樹の心を焼いていた。
欲しくなるなんて、本当にあるのだろうか。
それが嘘でも真であっても、また同じことを言って欲しい。
あの蕩けて消えるような感覚と、コリコリと当たる感触が今も身体に染み付いている。
そんなことを考えていると、背後からギシッと軋む音に裕樹の身体はビクッと跳ねた。
「あれ、トイレは?」
ナツはいつの間に降りてきたのだろう。
裕樹はその気配にまるで気付いていなかった。
「あ……これから行くとこ。」
「ふーん……。」
ナツの意味深長な反応に違和感を覚えつつ、裕樹は近くのドアノブに手をかけようとする。
「ね。おしっこしてるところ、見せてよ。」
「へ?」
悪戯した反応を待つ子供のような表情で裕樹を見つめるナツ。
その顔は十年前くらいの自分が浮かべる表情と似ていると裕樹は思った。
女性から、それもナツにお願いされるなんて思ってもみなかったが、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。
「いい……けど。」
快く返事をしようと思ったつもりが、喉奥が震えるせいで歯切れが悪くなっていた。
どんなふうに見せることになるのか。
狭い個室に二人で一緒に入るのだろうか。
それとも──
「やった。じゃあこっち行こう。」
ナツは裕樹の背後に回って、脱衣所のカーテンに向かわせるように背中を押した。
脱ぐ衣服がない二人は、そのまま脱衣所を通り抜けて浴室の扉を開く。
奥に続くリビングは、和室で付けっぱなしにしていた行灯の光がぼんやりと漏れ出している。
足を止め、その灯りを眺めていると、思考が少しずつ現実から乖離していく。
身体が赤ちゃんを欲しくなっちゃうんだろうね──
ナツの言葉が脳震盪のように頭の中で揺れ響いていて、無意識に呼吸が浅くなったのを感じる。
その無垢な感想が、かえって裕樹の心を焼いていた。
欲しくなるなんて、本当にあるのだろうか。
それが嘘でも真であっても、また同じことを言って欲しい。
あの蕩けて消えるような感覚と、コリコリと当たる感触が今も身体に染み付いている。
そんなことを考えていると、背後からギシッと軋む音に裕樹の身体はビクッと跳ねた。
「あれ、トイレは?」
ナツはいつの間に降りてきたのだろう。
裕樹はその気配にまるで気付いていなかった。
「あ……これから行くとこ。」
「ふーん……。」
ナツの意味深長な反応に違和感を覚えつつ、裕樹は近くのドアノブに手をかけようとする。
「ね。おしっこしてるところ、見せてよ。」
「へ?」
悪戯した反応を待つ子供のような表情で裕樹を見つめるナツ。
その顔は十年前くらいの自分が浮かべる表情と似ていると裕樹は思った。
女性から、それもナツにお願いされるなんて思ってもみなかったが、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。
「いい……けど。」
快く返事をしようと思ったつもりが、喉奥が震えるせいで歯切れが悪くなっていた。
どんなふうに見せることになるのか。
狭い個室に二人で一緒に入るのだろうか。
それとも──
「やった。じゃあこっち行こう。」
ナツは裕樹の背後に回って、脱衣所のカーテンに向かわせるように背中を押した。
脱ぐ衣服がない二人は、そのまま脱衣所を通り抜けて浴室の扉を開く。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


