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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第18章 泥濘の揺籠
浴室は窓から外灯が差し込み、お互いの表情が認識できるくらいには明るかった。
青みがかったタイルの床に踵をつけると、冷たさが電気のように背中を駆け巡る。
ナツは裕樹を浴室の真ん中に取り残し、左壁際まで一歩、二歩と距離を取った。
裕樹から視線を逸らさぬまま、タイルの上にしゃがみ込んで頬杖をつく。
まるで映画の始まりを楽しみに待つように、先ほどの笑顔を浮かべていた。
交わす言葉はなくとも、裕樹は浴室に連れてこられた意味をようやく理解した。
逃げ出したくなった気持ちはあれど、尿意があったのは事実で、脱力すれば自然と流れ出ると思っていた。
けれどもナツの視線を感じた瞬間、妙に身体が強張る。
催していた尿意はどこかに逃げてしまったようだった。
「どうしよ……。出ない。」
そう口にすれば、ナツも諦めてくれるものだと思っていた。
「ふふ、ゆっくりでいいよ。」
柔らかい笑顔の裏には、終わるまで見届けようとする強い意思を孕んでいる。
裕樹は観念したように膝を曲げると、関節がぱきっと鳴る音がやけに大きく響いた。
視界の隅に感じるナツの視線が、下腹部に向いているのか、裕樹を見ているかは曖昧だった。
目を瞑り、ゆっくり息を整えようとすると、左からナツの声がした。
「緊張してる?」
「うん……結構緊張してる……。」
裕樹は自身の声が僅かに震えていることに気づく。
目を開くと、慣れない蹲踞の姿勢のままじっとしているせいか脚も落ち着かない。
身体の重心を動かしながら、楽な体勢を探しても脚の震えは収まらず、思わず浴槽の縁に手を添えた。
「目の前でおしっこするのは初めて?」
「そうだね、初めて。」
「そっか。私も見るの初めて。」
ナツと視線は合わせられないままだったが、その一言で身体の力が僅かに抜けた気がした。
目隠しも寝バックもしたことが無いというナツに、「俺もない。」と答えたやり取りを思い出す。
先ほどと同じく初めて同士なら、特に気負う必要もなかった。
そう思うと先ほどの尿意がじわじわと下腹部に戻ってきた。
もう一度ゆっくり深呼吸をして、頭の中を空っぽにする。
青みがかったタイルの床に踵をつけると、冷たさが電気のように背中を駆け巡る。
ナツは裕樹を浴室の真ん中に取り残し、左壁際まで一歩、二歩と距離を取った。
裕樹から視線を逸らさぬまま、タイルの上にしゃがみ込んで頬杖をつく。
まるで映画の始まりを楽しみに待つように、先ほどの笑顔を浮かべていた。
交わす言葉はなくとも、裕樹は浴室に連れてこられた意味をようやく理解した。
逃げ出したくなった気持ちはあれど、尿意があったのは事実で、脱力すれば自然と流れ出ると思っていた。
けれどもナツの視線を感じた瞬間、妙に身体が強張る。
催していた尿意はどこかに逃げてしまったようだった。
「どうしよ……。出ない。」
そう口にすれば、ナツも諦めてくれるものだと思っていた。
「ふふ、ゆっくりでいいよ。」
柔らかい笑顔の裏には、終わるまで見届けようとする強い意思を孕んでいる。
裕樹は観念したように膝を曲げると、関節がぱきっと鳴る音がやけに大きく響いた。
視界の隅に感じるナツの視線が、下腹部に向いているのか、裕樹を見ているかは曖昧だった。
目を瞑り、ゆっくり息を整えようとすると、左からナツの声がした。
「緊張してる?」
「うん……結構緊張してる……。」
裕樹は自身の声が僅かに震えていることに気づく。
目を開くと、慣れない蹲踞の姿勢のままじっとしているせいか脚も落ち着かない。
身体の重心を動かしながら、楽な体勢を探しても脚の震えは収まらず、思わず浴槽の縁に手を添えた。
「目の前でおしっこするのは初めて?」
「そうだね、初めて。」
「そっか。私も見るの初めて。」
ナツと視線は合わせられないままだったが、その一言で身体の力が僅かに抜けた気がした。
目隠しも寝バックもしたことが無いというナツに、「俺もない。」と答えたやり取りを思い出す。
先ほどと同じく初めて同士なら、特に気負う必要もなかった。
そう思うと先ほどの尿意がじわじわと下腹部に戻ってきた。
もう一度ゆっくり深呼吸をして、頭の中を空っぽにする。

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