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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第18章 泥濘の揺籠
和室でしばらく横になっていると、ナツがバスタオルを巻いて部屋に入ってきた。

先ほどとは違う色のボトルを手にしている。

思わず身体を起こしてしまい、ナツの一挙手一投足に目が離せなかった。

「なに?どうしたの?」

挙動不審な裕樹の傍らで、ナツは大きめのタオルを広げて片方の布団の上に敷く。

「ここでうつ伏せになって。」

その指示通りに布団を這ってうつ伏せになる。

形式に則ったものなのか、腰から下を隠すように尻にタオルを掛けられる。

散々裸を見られた後で、今更意味があるのかと裕樹は疑問に思った。

同時に背中にとろりと何かが落ちるのを感じ、ナツはそれを手で馴染ませるように広げていく。

「このオイルはね、ベタベタしなくて肌に馴染むし、匂いもしないから気に入ってるの。」

背中全体に塗り終えると、肩甲骨周りの肉を掌で寄せ集めるように手を動かす。

凝り固まった肩をほぐすように、ナツの掌に力が入る。

「ぐっ……」

「やっぱりすごく硬いね。大丈夫?痛くない?」

「大丈夫、痛気持ちいいって感じ……。昔から姿勢が悪いって言われるからかな。」

「ふーん?若いのに。」

凝り固まったものがほぐされ、身体に溜まっていた澱が流れていくような感覚が裕樹にはあった。

そのせいか、肩や首周りがぽかぽかと熱を帯びていく。

首と肩をほぐし終えたナツの手は、ゆっくりと背骨の形をなぞるように少しずつ下へと向かっていった。

腰の辺りは特に、少しくすぐったいような感覚が込み上げてきて身体をくねくねと捩らせる。

「どうしたの?」

ナツは裕樹のその動きを見て笑った。

「なんだか腰の辺りかな……?触られるとくすぐったいような、ムズムズするような感覚が……。」

「この辺?」

そう言ってナツは指一本で腰の辺りを押す。

「うっ……。そこ。」

身体の奥で何かが小さく跳ねた感覚に、裕樹は首を傾げる。

「どうしてこんなに……マッサージが上手いの?」

「あれ言ってなかったっけ?カメラの仕事の合間に、マッサージの仕事も時々してるんだよ。」

またしてもナツの知らない一面があった。

バスタオル一枚でマッサージをするナツがそれを言うと、どうしても健全な施術を想像できなかった。
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