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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第4章 密やかな溢れ
葵のプール補習はついに終わりを迎えたようだった。

特に前日の時点で何かを約束していたわけではなかったが、授業の合間に今日は久しぶりに放課後時間はある?と葵からメッセージが届いていた。

葵が補習に出ていたのはほんの一週間弱のはずなのに、ずいぶんと久しぶりな気がして、裕樹の心は高鳴っていた。

帰りのホームルームが終わって、人がいなくなるのを待っていると、葵も立ち上がってどこかに消えていく。

今日もお預けになるのかと不安になりかけた矢先、先に教室行ってて、と葵からメッセージが届いた。

(今日は見せてくれるんだ…よかった〜)

裕樹は安堵してメッセージに従い、教室へと向かった。

美術部の備品室の中は、マネキンがたくさん並んでいて、1人でいるとどこか不安な気持ちに駆られる。

外側の窓からもマネキンだけしか見えず、中の様子は見えないようになっている。

いつもより15分ほど待った頃に葵はやってきた。

ドアがゆっくりと引かれて、静かに閉じていく。

いつもと違ったところは、カチャっと鍵を内側からかける音がしたところだ。

裕樹の目の前に葵は現れ「お待たせ」と一言呟いて手を上げた。

1週間ぶりにこの部屋で行われる、2人の秘密の時間のせいなのか、葵は普段よりも少し艶っぽく裕樹には映った。

いつも絶妙な絶妙な距離感で椅子に腰をかける2人だが、葵は椅子には座らずに、裕樹の前に立つ。

「…ん?どうしたの?」

いつもと様子の違う葵に裕樹は少し戸惑いを覚える。

葵はゆっくりとスカートのポケットに手を入れて、スマートフォンを取り出す。
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