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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第4章 密やかな溢れ
「座っても…いい?」

シャッターの音が鳴り止んだ僅かな時間に葵はそう呟いた。

「う、うん。シャツも脱いでも大丈夫。」

葵は背を向けて、シャツをゆっくりと腕から床に落とす。

後ろから見た葵の姿は、滑らかな曲線の砂時計のようだった。

細い背中の肩甲骨の下あたり、僅かに膨らみのような影を見る。

葵のIカップだからこそ見える景色だ。

その後ろ姿も写真に収まる。

葵はいつもの椅子に腰を掛けてゆっくり息を吐く。

自分のスマホとはいえ、撮られていることを意識しているのかどこか緊張しているように見える。

写真も撮りたいが、この目にその姿を焼き付けたい。

そんな思いから、一度スマホを机に置いた。

「…撮らないの?」

いつものようなリラックスして机に伏している余裕はなさそうに、小さくつぶやく。

「うん、目に焼き付きておきたくて。少し近づいて見てもいい?」

裕樹はそう言って、椅子を少し引きずりながら葵の近くに腰をかける。

葵と目が合うが、視線をすぐに逸らして両腕を自身の胸の前で交差させるようにしてそっと抱えた。

「ごめん、その姿めっちゃエロいからやっぱ撮るね。」

さっきよりスマホを葵の体に近づけてシャッターは切られる。

葵は肩が少し強張っているように見えた。

胸のほかにも太もも、ウエスト、首筋、唇、鎖骨、髪。

全身を余すことなく撮られ、さながら解体新書のようだった。
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