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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第4章 密やかな溢れ
葵は裕樹の声に反応して、ゆっくりと面を上げる。

斜め後方にいる裕樹を上目遣いで静かに見つめる。

言葉は発しなかったが、呼ばれた名前に視線だけで応えているようだった。

葵の濡れた熱っぽい瞳に、裕樹の中の理性が熱く燃えて焦げていきそうになった。

水着越しでも伝わってくる柔らかくて細い身体。

このまま後ろから抱きしめて、強引に唇を奪って柔肌に指を沈めたい。

カメラロールに蓄積されていく欲望の枚数は留まることを知らない。

カメラから視線を外さない葵と一心不乱に撮り続ける裕樹。

「今日の写真、全部送って。」

葵は変わらずレンズ越しに裕樹の視線を見続けながら答える。

「散々見たんだからいらないでしょ…。撮るだけで満足なんじゃないの?」

呆れた、と言わんばかりの表情で裕樹にそう言った。

「Iカップの水着グラビアっぽくてめっちゃエロいよ。」

「というか、めっちゃ撮ったよね?全部消すからね。」

言われてみれば、今日だけで約数ヶ月分ほどの写真を撮ったのではないだろうか。

「どんなふうに撮れたか、ちゃんと見てね。」

そう言って裕樹は葵にスマホを返す。

「あっち向いて、目を瞑ってて。」

葵に突然そう言われ、なんで?と疑問に思い固まる裕樹。

大きく息を吐き「いいから!」と葵に両腕を掴まれて教室のドアの方に体を向けられる。
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