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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第4章 密やかな溢れ
葵から後ろを向くように言われたその意味を、裕樹はしばらく経ってから気付く。

微かに聞こえる衣擦れの音。

葵が今まさに、纏っていた競泳水着を脱いでいることが分かった。

何かに反射して写っているものがないかを探すものの、そんなものはなかった。

別にここで葵の言う事を無視して振り返ることはできた。

それをしなかったのは、写真を撮らせてくれた葵への敬意でもあるかもしれない。

目を閉じて、研ぎ澄まされる聴力から葵が水着を脱いで生まれたままの姿になっているところを想像する。

カバンのチャックを開ける音がして、下着を取り出し、身に付けているところも容易に想像がついてしまう。

そもそも後半の葵の行動は全てが挑戦的で、理性を壊してみろと突き付けられているかのようだった。

今の背後の着替えですら、裕樹の度胸を測っているかのようにすら思える。

振り向かなければ意気地なし、などと思われるくらいなら振り返った方が良いと思う。

頭の中での欲望の葛藤と衣擦れの音が時間の流れを忘却させていく。

「もういいよ。」

葵の声でハッと我に帰った裕樹は振り返る。

そこには学校でよく見る葵の姿があった。

水着でその凶悪な肉体の片鱗を見たが、その制服姿からはそれらを感じさせない純潔なたたずまいがそこには在った。

「今日はありがとう。」

振り向かなかったことと、その一言が葵に対する感謝の気持ちだった。
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