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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第7章 可惜夜に焦がれ墜つ【序】
プレーパークの小屋の入り口の前で葵は一瞬、足を止めた。

闇の中に沈む小屋は窓が閉ざされ、戸は半分空いている。

中にはどんなものがあるかを葵は知らないが、裕樹は迷うことなくその戸を引いた。

裕樹は振り返ることなく、小屋の中に入っていく。

その背中を見つめながら、何も言わずに後を追った。

闇の中の小屋に入る時、葵の中で胸の奥が軋んだような気がした。

それは恐怖とは似ているようで異なり、破滅を受け入れるような感覚に近かった。

小屋の中は薄暗いが、街灯の光が上部の窓に差し込んでいて、互いの顔がぼんやりと浮かび上がるくらいの明るさだった。

裕樹は持ってきた大量の荷物をどさっと床に置いた。

最初に取り出したのは折り畳み式のキャンプチェアだった。

慣れた手つきでカチリ、と金属の脚が開く音が小屋の静けさに響く。

裕樹はコンビニの袋から水を取り出してそっと床に置いた。

背負ってきた大きなリュックサックの中からレジャーシート、ブランケット、バスタオル、クッションのようなものまで用意してあり、それは隅へ並べられる。

葵の胸の奥は再び軋み、それはこれから何が起きるかを察してしまう。

それでも葵は逃げ出すことはせず、ワンピースの裾を握りしめながらただその場に立ち尽くしていた。━━━━逃げることは出来なかった。
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