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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第7章 可惜夜に焦がれ墜つ【序】
「座って。」

裕樹そう促され、組み立てられたキャンプチェアに葵はゆっくりと腰掛ける。

葵が腰掛けたのを見てから、裕樹は伸縮する三脚をリュックから取り出した。

葵は地面を見つめ、その視線の先で裕樹は淡々と三脚を組み立てていく。

裕樹は自身のスマートフォンで、画角の調整を行う。

スマホのカメラには、薄暗い部屋の中で物静かに座る葵の姿を確認して、裕樹は口を開いた。

「どっちのスマートフォンで撮る?」

裕樹のその問いに、しばらく何かを考えるようにスマホを持ったまま動かなかった。

そして、ゆっくりとスマホを裕樹に差し出す。

その手は僅かに揺れていて、目は伏せたままで、言葉よりも先に答えがあった。

葵の手からスマホは離れ、裕樹はそれを三脚にセットする。

カメラモードを起動して、ムービーの再生ボタンを押すと、小屋の静けさを破るように電子音が短く鳴った。

小屋の中は、昼間の熱が少し残っていて、その空気が肌にまとわりつくようだった。

それでも隙間から風が通るたびに、ほんの少しだけ涼しさが通る。

椅子や三脚の組み立てでじんわりかいた裕樹の汗も、そのうち引いていくような心地良さすら感じられる。

裕樹はゆっくり頷いてからコンビニの袋からペットボトルを取り出し、葵に渡す。
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