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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第7章 可惜夜に焦がれ墜つ【序】
「はい、これ。今はそんなに暑くないけど、水分は取ったほうが良いと思うから。飲んでね。」

裕樹から渡されたペットボトルを葵はゆっくりと受け取る。

葵の手に渡ったことを確認して、裕樹はもう一本のペットボトルのキャップを捻って水をゴクゴクと音を立てて飲む。

葵もゆっくりとキャップを捻って口をつける。

キャンプチェアに深く腰をかけた葵の姿はどこか気品が漂っていた。

「葵ちゃん、めっちゃ緊張してるよね。まあ…俺も結構緊張してるんだけど…。」

そう言って裕樹は静かに葵の背後へと回った。

キャンプチェアに腰掛けている葵の背中は、まっすぐに伸びていた。

ワンピースの布地は背中に沿って張り付き、豊満な曲線がくっきりと浮かび上がっていた。

以前の水着の時とはどこか違っていて、裕樹は思わず息を呑む。

シャワーを浴びて間もないのか、いつもよりも良い匂いが鼻を通ってくる。

「肩揉んであげる。リラックスしてね。」

裕樹はそう言って、そっと手を置くと葵の肩は僅かに震えた。

その硬さは、緊張なのか。それとも、触られることへの戸惑いなのか。

指先に伝わる張り詰めた筋肉と、その奥の葵の体温が裕樹の指にじんわりと伝わってくる。

「これは…すごく凝ってるね。」
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