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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第7章 可惜夜に焦がれ墜つ【序】
葵は息を呑んだが、抗うことなく身を委ねたままだった。

二つ目、三つ目━━━裕樹の手は触れることと外すことを、さも同じ動作のように織り交ぜていく。

三つ目のボタンを外すと、布の張りがふっと緩くなった。

葵の体は背後から見ていても、その壮観さに圧倒される。

胸元の布は左右に開き、濃い色のブラが露わになる。

僅かに街灯の灯りが差し込むこの小屋で、それはパープルのようなレースに思えた。

「これ…紫だよね…。前に紫のブラジャーとか好きって言ったから…?あぁ…すっごくエロいよ。」

裕樹の吐息が、喉の奥で燻る炎のように、熱を帯びて漏れた。

指先でレースの淵をなぞりながら、ブラジャーを観察する。

紫のブラジャーを着けてきたことに、葵は何も答えない。

ただ目を伏せたまま、唇を少しだけ噛んでいる。

「とっても興奮する。ずっと触っていたいな。」

指の腹に伝わる硬くて厚いブラジャーの布地から、支えられて盛り上がっている胸の部分の体温が直接感じられた。

柔らかくて、その低反発性に指先が沈む。

その感触をずっと堪能したい気持ちを抑えて、裕樹は再び四つ目、五つ目とボタンに触れる。

ボタンが外れ、ワンピースが開いていくと大きな膨らみとは対照的な細くくびれたウエストが露わになる。

指先でウエストのラインをなぞると、葵の胸元がゆっくりと上下して、空気を探すように呼吸をする。

「ちょっと……急に……」

葵のその声には驚きの感情が含まれていた。まるで、ウエストを触られることは想定してなかったと言わんばかりに。
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