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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第7章 可惜夜に焦がれ墜つ【序】
「細くて綺麗なウエストだったから、触りたくなっちゃった。」

裕樹はそう言って、両手で葵のくびれの形を確かめるように撫でる。

その動きに葵は背筋を伸ばして、喉の奥から吐息が漏れる。

ウエストをなぞる裕樹の手は、腰骨を超えて、太腿に触れる。 

六つ目、七つ目のボタンも流れるように外されていき、ワンピースの前面は、完全に開いていた。

ショーツのレースも露わになり、ワンピースの布は葵を覆う役目を果たさなくなっていた。

葵の太腿は陶器のように滑らかで、女性らしい柔らかさがそこにあった。

空気をなぞるように、自分の手の甲で太腿の感触を味わっていた裕樹は、おもむろに指先をそっと滑らせる。

指は手の甲よりも、ずっと繊細に肌の柔らかさを掬い上げ、その滑らかさに指先が沈む。

裕樹の指が太腿の内側に滑り込むと、葵の膝が僅かに震えながら脚を開き、呼吸は少しだけ乱れていた。

意識的に開いたというより、体が勝手にその動作に応じたようだった。

内腿の表面は、太腿よりも熱を帯びていて、しっとりとしていた。

汗とは違う、どこか甘く湿った感触が指先にまとわりつく。

(これってまさか…濡れてるのか…?)

裕樹は胸の奥がざわついて、息を呑んだ。
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