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柔肌に泥濘んで、僕は裏返る
第8章 可惜夜に焦がれ墜つ【破】
紫のレースのストラップを、肩から撫でるように外す。

丁寧に葵の腕を通して、肌に触れないようにそっと取り上げると、保健室の時のことを裕樹は思い出す。

(やっぱり、大きいな…)

ブラジャーの内側───肌に密着していた面に鼻を寄せると、柔軟剤の甘い香りと、清潔な香りが混ざり合って、裕樹の鼻先をくすぐった。

「匂い嗅ぐな、変態」

葵のその言葉に、裕樹の手が一瞬止まる。けれど、香りの余韻は裕樹を離さなかった。

「だって、良い匂いでつい…。柔軟剤?石鹸の匂いなのかな?葵ちゃんは全部いい匂いがする。」

ブラジャーを素早く畳んで、ワンピースの上に置く。

その仕草に、どこか罪悪感と名残惜しさが滲んでいた。

裕樹は、そっと身を乗り出すように葵に密着し、黒くて艶のある髪が頬を撫でると、淡くて甘い花の香りが漂う。

全てが露になった葵のたわわな果実は、張りのある触り心地と、とろけるような柔らかさに、指先が沈み込む。

片方の手では零れ落ちるほどの、未知の肉感に圧倒される。

「…っ…ぁ…」

変幻自在の柔らかさで、形が変わり、裕樹の指先は迷いながらもその感触を貪っていた。

その度に、肩が震えながら消えるような声が葵から漏れた。
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