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痴女のめざめ・プライベート・ファイルズ
第2章 家族会議

「久彦に代わりにということか」
と、疑問というか、確認するように夫が聞いた。
「せっかく、家族になったのに、離婚とかそういうことは考えたくないし、かといって、このまま、真一郎に子供ができないで、久彦が結婚できないとなると家が絶える」
と、舅が話すと、
「放射線治療をしたから、久美子も子供ができないしね」
と、姑が補足しました。たしかに、子供がいない状況。そういう理由があったのだと初めて知りました。黙って聞いていた父が、
「弟さんに代理を頼むことに真一郎くんは同意できるのかね」
と、夫に聞いた。夫は、
「それは、稀莉子次第です。『精子不動症』の僕が意見を言うべきではないと」
と、まで話して、口をつぐんだ。
「そうだな。稀莉子はどうなんだ?」
と、私に話を振った。
「それをしても、子供ができる保証はないでしょう。私だって『早発卵巣不全』ですから」
と、答えると、
「そうかもしれないけど、真一郎の可能性はゼロだけど、稀莉子さんの場合は、数パーセントくらいは可能性が残されているかもしれないわ。ま、早期閉経して10年も経っているから、1パーセントくらいかもしれないけど」
と、溜息を姑が吐いた。
「1パーセントに掛けるか?と言っても、稀莉子さん次第だな。稀莉子さんが結婚したのは、真一郎であって、他の誰でもないからな」
と、舅が家族全員を見回して重々しく言ったわ。父が舅の意見に頷いて、
「血筋ということであれば、真一郎くんがゼロパーセントだとしても、弟の久彦くんが大丈夫なら、代理ということも、この地域では昔からあったらしいが、ま、時代は令和だからな。ただ、真一郎くんも稀莉子もOKというなら、それは、それでいいのかもしれない」
と、話すと、舅が、
「それはありましたが、昔ですよ。戦前くらいまでかな。少なくとも、俺も話に聞いているだけで。ま、裏の昭三は『うちのオヤジは祖父の子ではなくて、大叔父の子だ』と言っていたが」
と、話した。私の頭の中には、久彦という義弟のことがありました。見た目は非常に怖い感じ。顔も表情も、そして体格的にも、何より、私には不愛想でした。漁師仲間や、近所の人とは、厳つい顔でも笑いながら話しているところを見かけましたが、そういうところは、私にはなかったのです。
と、疑問というか、確認するように夫が聞いた。
「せっかく、家族になったのに、離婚とかそういうことは考えたくないし、かといって、このまま、真一郎に子供ができないで、久彦が結婚できないとなると家が絶える」
と、舅が話すと、
「放射線治療をしたから、久美子も子供ができないしね」
と、姑が補足しました。たしかに、子供がいない状況。そういう理由があったのだと初めて知りました。黙って聞いていた父が、
「弟さんに代理を頼むことに真一郎くんは同意できるのかね」
と、夫に聞いた。夫は、
「それは、稀莉子次第です。『精子不動症』の僕が意見を言うべきではないと」
と、まで話して、口をつぐんだ。
「そうだな。稀莉子はどうなんだ?」
と、私に話を振った。
「それをしても、子供ができる保証はないでしょう。私だって『早発卵巣不全』ですから」
と、答えると、
「そうかもしれないけど、真一郎の可能性はゼロだけど、稀莉子さんの場合は、数パーセントくらいは可能性が残されているかもしれないわ。ま、早期閉経して10年も経っているから、1パーセントくらいかもしれないけど」
と、溜息を姑が吐いた。
「1パーセントに掛けるか?と言っても、稀莉子さん次第だな。稀莉子さんが結婚したのは、真一郎であって、他の誰でもないからな」
と、舅が家族全員を見回して重々しく言ったわ。父が舅の意見に頷いて、
「血筋ということであれば、真一郎くんがゼロパーセントだとしても、弟の久彦くんが大丈夫なら、代理ということも、この地域では昔からあったらしいが、ま、時代は令和だからな。ただ、真一郎くんも稀莉子もOKというなら、それは、それでいいのかもしれない」
と、話すと、舅が、
「それはありましたが、昔ですよ。戦前くらいまでかな。少なくとも、俺も話に聞いているだけで。ま、裏の昭三は『うちのオヤジは祖父の子ではなくて、大叔父の子だ』と言っていたが」
と、話した。私の頭の中には、久彦という義弟のことがありました。見た目は非常に怖い感じ。顔も表情も、そして体格的にも、何より、私には不愛想でした。漁師仲間や、近所の人とは、厳つい顔でも笑いながら話しているところを見かけましたが、そういうところは、私にはなかったのです。

