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痴女のめざめ・プライベート・ファイルズ
第2章 家族会議
「さすが元看護士。よく知っているね。ま、兄貴の精子が使い物にならないってことはわかったけど、だから、俺が代わりにって言うのが、どうなんだろ?義姉さんもできにくいなら、子供無しでいいんじゃないのか?義姉さんができるのに、兄貴のせいでできないのなら、問題だろうけど」

と、義弟が話していると、

「だったら、お前がしっかりした女を見つけて結婚することだね。そうすれば、この家も安泰になるのにね」

と、姑が笑った。明らか、結婚なんてできないと決めつける感じ。義弟が反論するかと、顔を見たけど、

「そうだな。難しいだろうな」

と、義弟は勢いがなくなってしまった。工業高校中退。喧嘩っ早くて、眉毛の辺りに縫った跡があって、瞼も切れた跡が残っていて、強面。言葉も荒いし汚いと言えば、確かにそう。でも、言っている内容は常識的でした。

「俺みたいな前科者と結婚する女はいねぇよな」

と、天井を見上げてため息を吐きました。

「あれだけ『暴力を振るうな』と釘を刺していたのに、キレて見境なくヤるからだよ」

姑も天井を見上げてため息を吐きました。本人たちはわかっていないのかもしれませんが、そっくり。

普段、無口な二人が意外に話すので少し驚きながら、大人しい夫とは違い、義弟は暴力的で激しい気性。ある程度、容貌から想定はしていたものの、前科があるのは知りませんでした。

「ま、俺みたいな男の遺伝子は残さない方がいいと思うぜ。どうせ種を貰うなら、もう少しマシな種を探すこった」

義弟はお道化て笑っていました。そんな義弟に、夫が、

「お前くらい粗暴だと、精子も暴れん坊で、子宮の中でも暴れまわってそうだな」

と、義弟を揶揄すると、

「そうかもな。だったら、妊娠が難しい義姉さんでも、孕ませられるかもな」

と、義弟が応じた。

「だったら、頑張って孕ませてくれよ」

夫がそれに応じて、私を見て、

「稀莉子。久彦に、孕むまでやってもらえよ」

と、珍しく粗暴な口調で言いました。その様子を姑が驚いた表情で見ていました。舅が、

「口を慎め。夫婦でも言っていいことと悪いことがあるぞ」

と、夫と義弟をたしなめていましたが、父が、

「言葉はともかく、稀莉子が産みたいというなら、久彦くんに頑張ってもらうのも一つの方法だが」

と、私を見て、なぜか、ニヤッと笑いながら話しました。
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