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第8章 囲み痴漢のメンバーと

「織姫（オリザのH.N）も？」

隅田が聞くと、

「そうよ。可能性の話だけど、あのときも抵抗しなかったでしょ。あれは、私たちが多人数だったから齋藤を巻き込まないためだったかもしれないし、痴漢願望があったからかもしれない。どちらとは決めつけられないけど、両方だった可能性もあるわ。前にも行ったけど、あの時間帯のあの車両に乗ること自体、痴漢されても仕方がない状況だし、まして、あの女は年齢からしても、スタイルからしても、容姿からしても、狙われて当然じゃない？なのに、そこにいた。それだけでも、痴漢願望があるって判断できるわ」

と、志穂が説明した。志穂が言うように確かに志穂は以前にも同じ考えを述べていた。

「だとすると、俺たちが囲み痴漢をしたことは、織姫（オリザのH.N）にとっては願ったり叶ったりだったということなのか？」

篠塚が話すと、

「その可能性があるわ」

と、志穂が答えたが、

「にしては、アレ以来、乗っていないことをどう説明する？」

崎浜が聞いた。

「そこなのよね。疑問は」

志穂は理解に苦しむという表情。

「ただ言えるのは、通勤ではなかったのは間違いないわ。本当に通勤なら、あの車両ではなくても、どこかで見かけるはずだから。ということは、やはり痴漢願望があって、乗る必要もない車両に乗っていたということよ。ただ、なぜ、乗らなくなったのか」

志穂は言葉を続けた。

「急に在宅勤務になったとか？」

篠塚が可能性として、在宅勤務を挙げたが、

「『痴漢に遭ったので在宅勤務にしてください』と言ってOKがでるかな？」

と、否定的な崎浜。

「今の時代、辞められたら困る企業はOK出すと思います。というか、在宅勤務でたまに出社というスタイルなら今まで出会えたり、出会えなかったりしていたことも説明がつきますよ」

就職活動中の隅田が話すと、妙に説得力があった。

「なるほどな。基本は在宅勤務で、たまに出社とか、隔週で出社と在宅勤務というなら、この間からの状況も説明できるな」

創志が言うと、志穂も、

「そうね。コロナ以降、働き方が大きく変わったから」

と、話すと、囲み痴漢メンバーも納得という感じでした。