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いまやめないで このままでいて
第2章 第2話 わたしをひとりにさせないで、ひとりでさせないで

仕事の性質上、美咲は土日に出勤が多い。
大安に当たったその土曜日は朝からとても忙しく、残業を終えたあと珍しくマックで食事をしてから帰宅したのは9時を過ぎていた。
翌日は月に2回だけある日曜日の休日だったので、ゆっくりできると思うと彼女はスカートだけ脱ぐとそのままベッドに寝転がって脚を締め付けているストッキングを取った。
まだテレビも点けずにいたので、部屋は何の音もしなくて静かである。
枕元のリモコンに手を伸ばそうとしたとき、何か声が聞こえた気がして思わず耳を澄ませた。
ベッドが接している壁側、このあいだ入居した隣の部屋から聞こえる気がして息を殺しながら耳をそばだててみる。
かすかだったが聞きとれたのは、明らかに男女が営むときの女の悦ぶ声だった。
やむことのない嬌声が徐々に大きくなって、絶叫のあと静かになるまで美咲の耳は壁から離すことができなかった。
(単身赴任だと言ってたのに、もう奥さん来たのかしら… それとも…)
そんなことを思っているうちに、美咲の右手は股間に伸びていた。
(あ… )
疲れているときのほうが体が感じる。
(もう… やだ…)
隣から漏れてきた声を聞いているうちに、そこはもうすっかり濡れていた。
ショーツの脇から指を入れてまさぐるほうが感じることを彼女はわかっている。
文哉にもそれを言ったことがあって、彼はそれ以来焦らすようにして愛撫してくれるようになった。
そんなことを思い返しているうちに、
(いい… きもちいい… い、いっちゃう… い、いく、いく)
あっという間にひとりで達した。

