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いまやめないで このままでいて
第6章  第6話  たまらないその指の戯れ

 部屋に帰った美郷は靴を脱いでベッドに腰を下ろすとトートバッグから紙に包まれた試作品を取り出してテーブルに広げた。

 ハーフスルーのフルバックショーツはそれぞれ前見頃に透けたレースの蝶があしらわれている。
  
 上品で可愛いデザインなのだが、下向きに止まって羽を広げた蝶が、透けた向こうの叢で蜜を吸っているような連想をさせることが美郷の忍ばせたエロティシズムだった。

 その色違いデザインを今日彼女は身に着けていたが、歩きながらあの部分が濡れていることに既に気づいていた。

 美郷は立ち上がるとまっすぐにバスルームへ向かった。

 スカートをたくし上げて腰のあたりで絞ると脚を開いてゆっくりとしゃがみ、鏡の前のフェイスブラシを手に取って股間の深くにそっとあてがった。

(あんっ…)

 短く細くてやわらかい無数の毛先がストッキングの網目を越えて薄いショーツの生地の上から一番敏感な部分をそっとくすぐる。

(いやん… 感じる…)

 谷間を行き来していたブラシはやがて中心に留まって、細かく振動しながら徐々にその強さを高めていく。

 片方の手が背中へ回ってうしろから菊の花蕾を爪の先で小さくつつくように掻いた。

(だめ… これ… いい…)

 顎が上がり、口が開くと吐息のようにして思わず声が洩れそうになる。

 花芯をいたぶるブラシの勢いがさらに強まり、腰が上下に揺れはじめる。

 浴槽の縁に押し付けられそうになった額を手でかばいながら突っ伏すと、つま先立ちで膝を大きく開いたまま腰が高く持ち上がり、鏡に晒された自身のあられもない下半身を見て美郷は興奮のピークを迎えた。

 浴槽の縁についている手で胸をわしづかみにし、ブラシを激しく振動させながら花芯に強く押し付ける。

(いやぁぁぁっ… ああっ! いっちゃう! いくいくいく… いくっ! うっ…)

 大きく開いていた膝が左右に開閉するように震え、ストッキングを伝いきれずにショーツからあふれ出た小水が音を立てて洗い場の床に落ちた。



(わたし… おかしいかしら…)

 しばらくして震えが収まると床をシャワーで流してから、濡らさないようにストッキングを下ろしてスカートを脱いだ美郷は、ぐっしょり濡れた新しいデザインのショーツでしゃがんでいる自分を鏡に映して、放心したような昂ぶりをいつも以上に感じていた。

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