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いまやめないで このままでいて
第8章 第8話 知らなかったこの震える悦びを
奈津子の膝の上で指を絡ませて握り合っていた彼の手がほどかれ、スカートの合わせを分けたその手で膝が撫でられた。
膝頭から膝裏へ伸びた指先が、羽箒でくすぐるような柔らかさでストッキング越しに内腿をゆっくりと遡ってくると、閉じていたはずの脚が静かに開き、踵が浮いた。
大きな前ボタンがひとつずつ外されていき、ワンピースが開かれて光沢のあるキャミソールがあらわになる。
奈津子は躰をねじり栗原にあずけて隠そうとしたが、腿の奥まで辿り着いた彼の指に花園を探られると、それも束の間の抵抗にしかすぎなかった。
ぴったりと張り付いたストッキングの上から見つけられた花芯が、押しつけられるように細かく震える指でこすられ、そのもどかしさがかえって奈津子を煽り立てた。
首筋にキスをされながら、掌に包まれた胸の先端の蕾が指先で弄ばれ、下着にくるまれたままの花芯に焦らされるような愛撫を繰り返されて奈津子の背中が反りかえる。
「あああぁ… だめ… ああっ… わたし… ああああぁ…」
「なつこさん…」
耳元で名を呼ぶ栗原のささやき声が追い打ちをかける。
「は… はい… ああああぁ… いや… い… い…」
「なつこさん… すてきです… かわいいです… なつこさん…」
最後のとどめの大波が奈津子に襲いかかった。
「ああっ… あああああぁ… いやっ… ああっ…
い、い、いく… いく、いく、いくっ…いくっっ!」
のけぞった背中が震え、少し少し開いたままの細い脚がつま先まで伸びきって奈津子は絶頂に達した。
「恥ずかしい…」
顔を寄せて抱きしめられたまま奈津子は彼の胸に顔を埋めた。
「かわいいです… なつこさん…」
「いやだ… 服も着たまま… こんなに…」
「いいえ… すてきです… ぼくはうれしいです」
「言わないで… 恥ずかしい…」
そう言う奈津子の唇をふさいだ栗原の手が、再び今度はストッキングをくぐってきた。
「だめ、待って… シャワー…」
このまま愛されたかったが、汗の滲む体で抱かれたくはなかったのだ。
きれいにした体で思いっきり愛されたかった。

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