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僕の母さん
第2章 達郎が性に目覚める

母のベッドに潜り込むと、
その柔らかな香りに、ますます動悸が激しくなる。

体が火照るし呼吸も荒くなる。

やがてシャワーを終えた母の真弓が静かに襖を開いて寝室に入ってくる。

すでに達郎は寝入っているものだと疑わない真弓は
ほの暗い常夜灯の灯りを頼りにお肌の手入れを始めてゆく。

保湿パックのマスクを顔に貼り付けて
この子は前の学校の時のように明るい男の子に戻ってくれるかしらと要らぬ心配をした。

『やっぱり多感な年頃だから同性で悩みのわかる父親のような存在が必要なのかしら…』

飛び抜けた美人じゃないけれど、
真弓に言い寄ってくる男は数多くいる。
けれど、誰も彼もが既婚者で、不倫と言う名のアバンチュールを楽しもうとしている男ばかりだった。

『所詮、私は遊び相手としか見てもらえないのよね…』

離婚が成立してフリーになった今、
真弓は、もう一度心の底から燃えるような激しい恋ならしてみたいと思わずにはいられなかった。

「さて、これでよしっ!」

毎晩のお肌の手入れのルーティンを終えると
ベッドのど真ん中でじっとしている息子の達郎を「もう少し、そっちに寄りなさいよ」としなやかはボディでぐいぐいと片側に押し込む。

日頃の疲れなのか、それとも達郎のことが気がかりで精神的に参っていたのか、ベッドに横になると、真弓はすぐさま深い眠りに落ちた。

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