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僕の母さん
第12章 破談
案の定、母親の真梨子の口から「私は、この結婚には反対です」と決定的な言葉が飛び出す。
「そんなことだろうと思ったよ
でもね、反対されても僕たちの気持ちは変わらないよ
別に勘当されてもかまわないんだ
僕は何がなんでも真弓と結婚するから」
辰己は頭に血が昇ったのか、顔を真っ赤にして憤慨した。
「まあまあ…お前はまだ若い
それにまだ学生の身分なんだぞ
今すぐになんて考えずに大学を卒業して、私の後継者として社会人となってからでもいいんじゃないか?」
「そうよ、壮亮、そうなさい」
母親の真梨子が夫である健太の意見に同調した。
時間を稼げば年齢差のある二人だから、そのうち壮亮が気が変わるとでも言いたげであった。
和気あいあいという雰囲気など、これっぽっちもない
辰己は怒りに満ちた表情をし、真弓は今にも泣き出しそうな顔で辰己家を後にした。

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