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僕の母さん
第12章 破談
辰己壮亮の父に陵辱されて数日が経った。
壮亮からは今後のことについてじっくりと話したいんだと、何度も連絡をもらったが、真弓は曖昧に答えるだけで実際にいつ合うという返事を先延ばしにしていた。
そんなおり、日にちだけが進んで、いよいよ息子の達郎が中学二年に進級する時がきた。
季節が移ろいで、いつの間にか桜も葉桜になった頃、
新学年での三者懇談の日がやって来た。
達郎の中学二年の担任は、教師だと宣言しなければまだまだ女子大生と言ってもよいような子供っぽさ残る女性教師であった。
「はじめまして…私が達郎くんの担任を勤めさせていただきます浦山景子と申します」
彼女は初めての担任を受け持つ教師のようで、
挨拶の言葉が緊張で震えていた。
「はじめまして、達郎の母です」
見た目の若い真弓と向かい合うと、担任の教師と生徒の母親というよりは姉妹だといってもよさそうな感じだった。
「達郎くんの成績表を確認させていただきました
とても優秀なんですね」
「そんな、お恥ずかしい…
その分、運動音痴で体育が苦手なようです」
「…ですね…体育の成績は目を覆いたくなるほど悲惨ですものね」
彼女は世辞という言葉を知らぬようで、ずけずけと本音を語った。
「でも、体格はいいし、栄養のバランスのよい食事を心がけてくださっているようで安心してます」
女二人で盛り上がる会話に退屈で
達郎は生欠伸を噛み殺した。
「さて、では、本題に移りたいと思います」
担任の浦山景子は達郎の成績表を机の上に広げた。
「とても優秀です。まだ先だと思われているでしょうが、
高校受験なんてあっという間です
このまま成績を落とさなければT大付属高校への推薦入学さえ可能です」
「推薦入学?」
「ええ、受験なしで進学できます
それに、特待生として入学金や授業料の減額制度も受けられます」
担任の浦山景子はT大付属高校の必要経費を見せてくれた。
減額されるとは言え、公立の高校に比べてかなりの高額であった。

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