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僕の母さん
第15章 それぞれの秋
校門を出た佐智子と紗耶香の親子は会話もなくトボトボと帰途についていた。
「やっぱり私にはT大付属高校なんて無理だったんだわ」
あきらめた方が良いと担任から言われて、紗耶香はかなり落ち込んでいた。
『あんなに勉強しているのに可哀想で見てらんないわ…』
達郎に家庭教師をしてもらっていても、
勉強時間の半分はセックスしまくっているということを知らない佐智子は、我が娘のためにやれることは何でもしてあげようと決めた。
「紗耶香、ママ、ちょっと用事を思い出したから一人で帰れるよね?」
一人で帰れるもなにも通いなれた通学路なんだから
目をつぶってでも帰れるわと返事をすると「じゃあ、ママは今から用事を済ませちゃうから、ママの帰りが遅くなっても心配しないでね」と早口で告げると、足早に来た道を引き返し始めた。
佐智子が向かった先は、先ほどまで三者懇談をしていた中学校であった。
校門に差し掛かると、ちょうど担任の秋吉先生がマイカーで出てくるところだった。
「先生!すいません!少しお話よろしいですか?」
行く手に佐智子が立ち塞がったものだから、秋吉は慌ててブレーキを踏んだ。
「ちょっと危ないじゃないですか!
ん?あれっ?紗耶香くんのお母さん?」
立ち塞がったのが紗耶香の母親である佐智子だとわかると
一体どうしたんですか?と車を降りて駆け寄った。
「先生に…先生にお願いがあるんです!」
切羽詰まった表情にただ事ではないと「とにかく車に乗ってください。お願いというのを車の中でお聞きしましょう」と佐智子を助手席に乗せた。
「いったい、どうしたんですか?
てっきりもう帰宅されたと思っていましたよ」
「私…やっぱり何がなんでも娘の希望を叶えてあげたいんです!」
「それは、どの親御さんも皆同じです
そこはやはり現実をしっかり見つめて背伸びしてレベルの高い高校よりも実力に見合った高校に進学された方が後々の彼女のためですよ」
「ねえ先生…私、聞いたことがあるんです
高校受験は内申点が大きく影響するって…」
「ええ、確かにそうですが…」
「先生!お願いします!紗耶香の内申点を改竄してください!
それが可能なら…私、何でもしますから!」
そう言って佐智子は助手席で、下着が見えそうになるギリギリまでスカートをたくしあげた。

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