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僕の母さん
第5章 サマーバケーション

案内された部屋は8畳ひと間のこじんまりした部屋だった。
「少し狭いかもしれませんが、なにぶんにも中国からの団体さまが他の部屋を占領しておりまして…」
初老の男が茶を入れてくれながら申し訳なさそうに弁解した。
「いえ、こちらこそ急遽の予約でしたもの
それはいっこうにかまいませんわ」
それでは、どうぞ、ごゆっくりと…
初老の男が部屋から出ていくと、
佐智子は、さっそくにも荷ほどきをはじめて、中からマイクロビキニを取り出した。
「えっ?佐智子、もしかしてそれを着て温泉に?」
「去年、海に行こうと買ったんだけどね、ちょうどこの子が初潮を向かえてしまって行けなかったのよ
だから、今回はこのビキニのデビューなの」
ほら見て、おばさんもまだまだこういうのが似合うでしょ?と
着衣の上からビキニのブラを胸に当てて達郎に見せつけた。
へぇ~、ビキニか…
母さんもきっと似合うだろうなと思ったが、
当の真弓はワンピースの水着をバッグから取り出した。
「とてもじゃないけど、今さらビキニなんて恥ずかしくて買えないわ」
「あら、そんなことはないわよ
真弓だってまだまだ色気ムンムンのいい女なんだし」
ねえ、達郎くんもそう思うでしょ?と
不意に答えを求められて、達郎は母のビキニ姿を想像して顔を赤らめた。
 

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