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僕の母さん
第5章 サマーバケーション

温泉は混浴だというのに、
脱衣場は男女別々だった。
『そりゃそうか…』
女って脱いで行く姿が一番色っぽいんだから
そこはちゃんと男女別にしておくのは当然だと思えた。
脱衣室には数名の大人がいた。
どうやら日本の方とは違うようで、彼らが何を喋っているのかまったくわからない。
混浴ということを理解しているのかどうか知らないが、
彼らは水着を着用せず、おまけにタオルで股間も隠さず、堂々と見せつけるように大浴場から更衣室に入ると着衣を済ませて出ていった。
「けっこうデカイちんちんだったなあ…」
達郎は彼らの股間と比べて自分のモノがあまりにも貧弱で
こんなお粗末なモノを堂々と見せる気にはなれなくて、
持ってきた海パンを履いて大浴場に向かった。
「わあお!岩風呂じゃん!!」
達郎としては、ありきたりな銭湯のような四角四面のタイル張りの浴槽を想像していたのだが、
今、目の前に広がる浴槽は大きな岩が張り巡らされ、
おまけに瓢箪の形状なので、混浴が恥ずかしい人は岩影に隠れられる構造になっていた。
「わあ~!すっごい!!」
達郎が岩風呂の壮大さにポツンと佇んでいると、
背後から彩也香のすっとんきょうな声が浴室に響き渡った。
「あ、彩也香ちゃん…」
振り向いて声を掛けてみたものの、
そのあとの言葉が続かない。
なんと、彼女は紺色の、いわゆるスクール水着というものを着用していて、みぞおち辺りにはデカデカと「巻」と名字が書き込まれたゼッケンが縫い込まれていた。
いや、驚いたのはスクール水着やゼッケンなどではなかった。
胸パットを装着していない彼女のわずかに膨らんだ胸に乳首とおぼしきポッチリが見事なまでに浮き出ていた。
 

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