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冒険者とエルフが織りなす、野性的で官能的な物語。
第1章 深き森の誓約

その男の名はカイラン。百戦錬磨の冒険者であり、その体には無数の傷跡と、都市の埃の匂いが染み付いていた。彼が求めるのは、伝説の霊薬の材料となる「月光の涙」という花。それはエルフの守る禁断の森、〈囁きの森〉の最深部にしか咲かないと言われていた。
森はカイランを拒絶していた。不気味な静寂、見えざる視線、そして絡みつくような湿った空気。だが彼は構わず、手にした鉈で茨を切り裂き、獣のように道なき道を進んだ。
数日が経ち、ついに森の中心にある清らかな泉にたどり着いた時、彼女は現れた。
月の光を編んだような銀色の髪、森の若葉のごとき瞳を持つエルフ。その名をエリアーナという。彼女は弓をカイランに向け、その切っ先は寸分の狂いもなく彼の心臓を捉えていた。
「穢れた人よ。何故この聖域を侵す」
その声は鈴の音のように美しいが、冬の風のように冷たかった。
「用があるだけだ。済めばすぐに立ち去る」カイランは剣の柄に手をかけたまま、低く答えた。
エリアーナの瞳が危険な光を宿す。「この森の掟はただ一つ。侵入者は、森の土くれとなる」
言葉が終わるか終わらないかのうちに、矢が放たれた。カイランは獣的な勘でそれを弾く。鋼と鋼がぶつかる甲高い音が、森の静寂を切り裂いた。
それが始まりだった。
二人の戦いは、もはや人間の技の応酬ではなかった。それは二匹の捕食者が互いの縄張りをかけて争う、原始的な闘争そのものだった。カイランの剣は荒々しい嵐のように猛り、エリアーナの動きは風に舞う木の葉のようにしなやかで、予測不可能だった。
泥にまみれ、互いの血が飛び散る。喘ぎ声と金属音が交錯する。戦いの最中、二人の視線が絡み合った。そこに宿っていたのは、純粋な殺意だけではなかった。互いの生命力、その存在そのものに対する、抗いがたいほどの渇望。一種の畏敬と、そして理解を超えた欲望が渦巻いていた。
森はカイランを拒絶していた。不気味な静寂、見えざる視線、そして絡みつくような湿った空気。だが彼は構わず、手にした鉈で茨を切り裂き、獣のように道なき道を進んだ。
数日が経ち、ついに森の中心にある清らかな泉にたどり着いた時、彼女は現れた。
月の光を編んだような銀色の髪、森の若葉のごとき瞳を持つエルフ。その名をエリアーナという。彼女は弓をカイランに向け、その切っ先は寸分の狂いもなく彼の心臓を捉えていた。
「穢れた人よ。何故この聖域を侵す」
その声は鈴の音のように美しいが、冬の風のように冷たかった。
「用があるだけだ。済めばすぐに立ち去る」カイランは剣の柄に手をかけたまま、低く答えた。
エリアーナの瞳が危険な光を宿す。「この森の掟はただ一つ。侵入者は、森の土くれとなる」
言葉が終わるか終わらないかのうちに、矢が放たれた。カイランは獣的な勘でそれを弾く。鋼と鋼がぶつかる甲高い音が、森の静寂を切り裂いた。
それが始まりだった。
二人の戦いは、もはや人間の技の応酬ではなかった。それは二匹の捕食者が互いの縄張りをかけて争う、原始的な闘争そのものだった。カイランの剣は荒々しい嵐のように猛り、エリアーナの動きは風に舞う木の葉のようにしなやかで、予測不可能だった。
泥にまみれ、互いの血が飛び散る。喘ぎ声と金属音が交錯する。戦いの最中、二人の視線が絡み合った。そこに宿っていたのは、純粋な殺意だけではなかった。互いの生命力、その存在そのものに対する、抗いがたいほどの渇望。一種の畏敬と、そして理解を超えた欲望が渦巻いていた。

