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妻女王様さくら
第1章 キャバクラごっこ

さくらは一瞬、頭が真っ白になった。
羽田、遥香、達郎、浩一、昇進、降格——あまりにも多すぎる情報が、怒涛のように押し寄せてくる。
だが、不思議なことにその混沌の中で、心は静まり返っていた。
(私は女王様——この場の全員を支配する女。)
冷静に、登場人物を並べ替える。
今必要なのは達郎でも浩一でもない。
目の前の羽田と遥香——この二人を崩す。それだけだ。
遥香は、利害と依存で羽田に縋る女。
羽田は、権力と欲望で人を弄ぶ男。
この二人を同時に支配できれば、完全勝利だ。
さくらはゆっくりと立ち上がり、全身をしならせ、ドレスの裾をほんの少しだけ指先で持ち上げた。
白く滑らかな太ももが、ルームのライトを反射して艶めく。
羽田の手は、遥香を揉む動きをやめない——だが、その瞳は完全にさくらへと釘付けになっていた。
「……美しすぎる」
かすかな吐息混じりの声。
その一言を合図に、さくらは畳みかけた。
視線だけで挑発し、唇を舐め、ふわりと香り立つように一歩踏み出す。
世界で一番美しい女であることを、身体の隅々まで誇示するように。
羽田の呼吸が浅くなる。
遥香を抱いたまま、だが心はもう完全に奪われていた。
「……近藤さん、うつくしい」
「さん付け? 失礼ね。」
さくらの声は甘く、しかし鋭く刺す。
「す、すみません……近藤様……」
「まだ他人行儀ね。この美しい“さくら女王様”が——あなたを調教してあげましょうか?」
羽田の瞳が完全に降伏の色を帯びた。
「……はい、さくら女王様。なんでも貢ぎたいです……お美しい……」
さくらはゆっくりと近づき、仕上げに唾をひとしずく、羽田の顔へと垂らした。
「ご褒美よ。」
羽田は恍惚と笑い、全身でそれを受け止める。
そして——さくらは視線を遥香へ。
「遥香、あなたは今から私の可愛い奴隷。なんでも言うことを聞きなさい。」
遥香は戸惑いながらも、その声に逆らえない。
「……さくら女王様、これから私を……たくさんいじめてください……お美しいです……」
一瞬前まで権力と利害で成り立っていた関係は、完全に崩壊した。
この部屋はもう——さくらの玉座だった。
羽田、遥香、達郎、浩一、昇進、降格——あまりにも多すぎる情報が、怒涛のように押し寄せてくる。
だが、不思議なことにその混沌の中で、心は静まり返っていた。
(私は女王様——この場の全員を支配する女。)
冷静に、登場人物を並べ替える。
今必要なのは達郎でも浩一でもない。
目の前の羽田と遥香——この二人を崩す。それだけだ。
遥香は、利害と依存で羽田に縋る女。
羽田は、権力と欲望で人を弄ぶ男。
この二人を同時に支配できれば、完全勝利だ。
さくらはゆっくりと立ち上がり、全身をしならせ、ドレスの裾をほんの少しだけ指先で持ち上げた。
白く滑らかな太ももが、ルームのライトを反射して艶めく。
羽田の手は、遥香を揉む動きをやめない——だが、その瞳は完全にさくらへと釘付けになっていた。
「……美しすぎる」
かすかな吐息混じりの声。
その一言を合図に、さくらは畳みかけた。
視線だけで挑発し、唇を舐め、ふわりと香り立つように一歩踏み出す。
世界で一番美しい女であることを、身体の隅々まで誇示するように。
羽田の呼吸が浅くなる。
遥香を抱いたまま、だが心はもう完全に奪われていた。
「……近藤さん、うつくしい」
「さん付け? 失礼ね。」
さくらの声は甘く、しかし鋭く刺す。
「す、すみません……近藤様……」
「まだ他人行儀ね。この美しい“さくら女王様”が——あなたを調教してあげましょうか?」
羽田の瞳が完全に降伏の色を帯びた。
「……はい、さくら女王様。なんでも貢ぎたいです……お美しい……」
さくらはゆっくりと近づき、仕上げに唾をひとしずく、羽田の顔へと垂らした。
「ご褒美よ。」
羽田は恍惚と笑い、全身でそれを受け止める。
そして——さくらは視線を遥香へ。
「遥香、あなたは今から私の可愛い奴隷。なんでも言うことを聞きなさい。」
遥香は戸惑いながらも、その声に逆らえない。
「……さくら女王様、これから私を……たくさんいじめてください……お美しいです……」
一瞬前まで権力と利害で成り立っていた関係は、完全に崩壊した。
この部屋はもう——さくらの玉座だった。

