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妻女王様さくら
第1章 キャバクラごっこ
浩一のグラスが空になると、さくらはすっと立ち上がり、
背中越しにベルエポックを抱えて戻ってきた。
ドレスのスリットから、膝上まで伸びる白い脚が一瞬のぞく。
その仕草ひとつで、浩一の視線は釘付けになる。
「もう一杯、いいですか?」
「……はい」
浩一が小さくうなずくと、さくらは距離を詰め、ゆっくりと注ぎ始めた。
甘く落ち着いた香水の匂いが、浩一の鼻先をかすめる。

「こうしてお話するの、初めてですね」
「ええ……会社じゃ、あまり……」
浩一は視線を泳がせる。
さくらはわずかに首を傾げ、その瞳を真正面からぶつけた。
「今夜は、お客様として扱いますから」

そのやり取りを遠くの席から見ていた達郎の胸は、
嫉妬でざらつくような痛みに満たされる。
浩一の頬が紅潮し、まるで少年のようにさくらの言葉を受け止めている。
――俺の妻が、他の男をこんな顔にさせてる。

やがて閉店時間を告げるようにBGMが一段落。
「今日は来てくれて、ありがとう」
さくらは浩一の前に立ち、片手をそっと肩に置いた。
そして、ためらいもなく頬に柔らかな唇を寄せる。

浩一は息を呑み、固まった。
その瞬間、達郎の背中を電流のような感覚が走る。
嫉妬と、どうしようもない興奮が、心の奥で混ざり合っていく。

浩一が帰った後、寝室で達郎は口を開いた。
「……もう、やめないか」
背中を向けたまま、さくらは静かに答える。
「やめるなら、やめてもいいわよ」
その声音には、少しの冷たさと、試すような甘さがあった。

達郎は唇を噛み、うつむく。
「……やめたくない。続けたい」
さくらは振り返り、ベッドの縁に腰掛けて脚を組む。
光沢のあるハイヒールが、ランプの灯りを反射して揺れた。

「じゃあ、どうしたいのか言ってみなさい」
その瞳に見下ろされ、達郎の喉がひくつく。
「……浩一様を、また呼ばせてください」

さくらの唇がわずかにゆるみ、笑みが零れた。
「いい子ね。じゃあ……あなたの望み通りにしてあげる」
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