この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妻女王様さくら
第1章 キャバクラごっこ
夜のリビング。
ソファに腰掛けるさくらは、淡いブルーの部屋着に、無造作にまとめた髪。
照明に照らされる横顔は、柔らかさの中に冷たい輝きを宿している。
達郎は、グラスを持ったまま呼吸を整えた。
「……あの、変なお願いなんだけど」
「なに?」
「普段……“さくら女王様”って呼んでいいですか」

さくらは一瞬だけまばたきをし、ワインを口に含んだ。
そして、脚をゆっくりと組み替え、視線を達郎に向ける。
「……だめ」
「え……」
「普通に“さくら”って呼んで。……できないの?」
優しげな声色。けれど、その奥には相手をじわじわ追い詰める支配の匂いがあった。

達郎は唇を噛み、しばらく沈黙する。
「……さくら」
呼び捨てにした瞬間、胸の奥でざわめきが広がり、
頭の奥に甘く痺れるような快感が走る。

さくらは微笑み、グラスを指先でくるくると回す。
「いいわね。その方が……距離が近い気がする」
その言葉に、達郎の理性がさらに崩れていく。

何度も、何度も「さくら」と呼びながら、
喉の奥では「さくら女王様」と叫びたい衝動が渦を巻いていた。

やがて、さくらはグラスを置き、膝をこちらに向けた。
「……そんなに呼びたいの?」
達郎はこくりとうなずく。
「……はい……どうしても……」

さくらは少し間を置き、唇の端を上げた。
「いいわ。……呼んでみなさい」

「……さくら女王様」

言葉を吐き出した瞬間、達郎の全身から力が抜け、
熱いものがこみ上げて視界が滲む。

その様子を見下ろすさくらの表情は、まるで王が新たな領土を手に入れた時のよう。
勝ち誇った微笑の奥に、征服の確信が煌めいていた。
その目は、完全に相手を支配した者だけが持つ冷たい美しさを帯びていた。

「よくできました」
さくらは優しく頭を撫でる。
「いい子にしてたら……たまにね」

その一言が、達郎の心の奥で炸裂した。
「……ありがとうございます……ありがとうございます……さくら女王様……」
嗚咽まじりの声を上げながら、達郎はその場で崩れ落ちた。
/29ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ