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庶務OLさゆり女王様~秘蜜の支配~
第1章 発見
「……あの……」
さゆりが、細い指先を胸元でぎゅっと絡ませる。
真紅のドレスからのぞく鎖骨が小さく震えていた。
「“サユミ女王様”に……挨拶、してください」
まるで告白するように、消え入りそうな声。
恥ずかしくてたまらないのか、視線は床に落ちたままだ。
達郎は一瞬耳を疑った。
だが確かに、彼女は女王様としての最初の儀式を求めている。
「……サユミ女王様……」
声を整え、彼は跪いた。
深く頭を垂れ、その胸に燃える衝動を言葉に乗せる。
「サユミ女王様、今日は……私を、いじめてくださいませ」
シーンと静まった空気。
言い終えた自分の言葉の重みに、達郎の背中が熱くなる。
そして――
「っ……!」
さゆりが顔を真っ赤にし、両手で口元を覆った。
笑っているわけではない。
ただ、あまりの恥ずかしさに耐えられず、目尻に涙すら浮かべていた。
「わ、私……こんなこと言わせるなんて……ほんとに……」
声が震える。
それでも、足元のピンヒールをコツンと鳴らし、ぎこちなく言い足した。
「……でも……よくできました。達郎……」
その言葉に、達郎の胸は高鳴った。
“恥じらいながらも命じてくれる女王様”――それが彼にとって何より甘美だった。
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