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エンドレス・サマー
第1章 エンドレス・サマー

ふいっと顔をそむけた蓮司の不機嫌な横顔が、空を染めた黄金色の光に照らされる。
「あれ?蓮司じゃん!」
声の方を探して蓮司の肩越しの人ごみを見ると、同じ高校二年の蓮司のクラスメイトたちが名前を呼んでいる。
蓮司は人ごみを縫ってその群れのほうに近づいていった。
相変わらず花火の爆音が響いていたけど、はしゃいで話す彼らの声はよく通って、取り残されてひとり花火を見上げる私の耳にまではっきり届いた。
「蓮司、亜澄先輩とデートか」
冷やかす男子の声。
「ちょっとぉ、亜澄先輩をひとり置いてきちゃっていいの?」
と、女子の嬉しそうな声もする。
取り残された私を気遣う風に見せかけて、本当は年上の彼女が年下の彼氏に見捨てられた図を面白がっている。
蓮司は仲間とひとしきり話した後、花火の観衆をかき分けて戻ってきた。ほっとしたのもつかの間。
「亜澄、俺、やっぱあいつらに合流するわ」
「あれ?蓮司じゃん!」
声の方を探して蓮司の肩越しの人ごみを見ると、同じ高校二年の蓮司のクラスメイトたちが名前を呼んでいる。
蓮司は人ごみを縫ってその群れのほうに近づいていった。
相変わらず花火の爆音が響いていたけど、はしゃいで話す彼らの声はよく通って、取り残されてひとり花火を見上げる私の耳にまではっきり届いた。
「蓮司、亜澄先輩とデートか」
冷やかす男子の声。
「ちょっとぉ、亜澄先輩をひとり置いてきちゃっていいの?」
と、女子の嬉しそうな声もする。
取り残された私を気遣う風に見せかけて、本当は年上の彼女が年下の彼氏に見捨てられた図を面白がっている。
蓮司は仲間とひとしきり話した後、花火の観衆をかき分けて戻ってきた。ほっとしたのもつかの間。
「亜澄、俺、やっぱあいつらに合流するわ」

