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エンドレス・サマー
第1章 エンドレス・サマー
私の返事も待たないで、蓮司は背中を向けて人だかりの中に消えてしまった。

───ヤらせてもらえないなら、私といても意味がない、ってことね

なんだか一気に力が抜けた。立っているのが嫌になった私は、見物客の人だかりから出て、コンクリートの防波堤に腰を下ろし、膝を抱いて空を見上げる。

こんなに虚しい花火って、ない。

これまで蓮司はデートのたびに、セックスを求めてきた。

───ホントは蓮司は私のことが好きなんじゃなくて、エッチが好きなだけなのかもしれない。

「だって亜澄ってエッチ好きそうじゃん」
そんな女友達の言葉が、いやおうにも思い出される。

いくらダイエットしても胸のボリュームだけは落ちてくれなくて、エロい体とからかわれ、その友達が更に言うには、このくっきりした目とツンとした小ぶりな鼻のせいで、エッチに積極的な軽い女の子に見られるらしいのだ。

でも蓮司だけは、私をそんな風には見ていないと信じていた。
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