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エンドレス・サマー
第1章 エンドレス・サマー
「花火、見たかったから。ついでに亜澄の浴衣も見てやろうかなと思って」

「ついでって・・ひどくない?」

「いいから、立ってみ」

潤貴に言われ、のろのろと立ち上がった。

「可愛いじゃん」

「潤兄はその浴衣どうしたの」

「山城さんにもらった」
と潤貴。

潤貴は紺色の浴衣がよく似合った。

スラリとした体で顔立ちも整ったこの東京の大学生ときたら、ポロシャツだろうがサーフィン用のウエットスーツだろうが浴衣だろうが、ずるいくらいに何でも着こなしてしまう。

潤貴が言う山城さんというのは、最近東京の潤貴の家に出入りしている会社社長。

───いい人なんだけど、おふくろといちゃつくから見ていられないんだ

と昨日潤貴が話していたのを思い出す。

「帰るぞ」

潤貴に手を引かれて歩き出す。
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