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エンドレス・サマー
第1章 エンドレス・サマー
海岸通りを渡って細道に入り、私の家の方角へ。

「もうあんな男忘れろ」

「えっ、潤兄、もしかして見てたの」

一連の出来事を潤貴に見られていたと知り、恥ずかしいし悔しかった。

着いたのは、海辺から歩いて五分の私の家。灯りは消えて静まり返っている。

お母さんは海沿いを車で十五分ほど走ったところにあるホテルで働いていて、花火大会がある今夜はホテルのイベントを同時開催していて、朝まで帰ってこない。

潤貴は、お盆の時期に母親である洋子叔母ちゃんと、東京から我が家に帰省してきた。

送り火を終えると洋子おばちゃんはすぐ東京に戻ったけど、潤貴だけはここに居残った。

未婚の母としてひとりで潤貴を育ててきた洋子おばちゃんは、最近山城のおじさんと付き合うようになった。
山城さんが洋子おばちゃんにしょっちゅう会いに来ているというから、東京の家にいても潤貴は居心地が悪いのかもしれない。

我が家には洋子おばちゃんが住んでいた当時使っていた部屋がそのままになっている。それをいいことに、潤貴はそこに居着いてしまっているのだ。
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