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僕の愛する未亡人
第2章 はじめての社外業務①
理央の声は裏返る。
その反応に、冴子は吐息を漏らした。

「じゃあ、職場で気になる人がいるとか」

冴子は声を潜め、椅子の背に肘をかけて理央を覗き込む。
理央の胸が一気に熱くなる。
理央は目を泳がせるだけで、何も言えなかった。
冴子はその態度に肯定と取ったらしい。

「そりゃ……集中できないね。今持ってる事務関係の仕事はそのままやってもらわなきゃ困るけど、明日の午前から外回り、ちょうど入ってる。同行して貰える? 仕事増える方が気が紛れるんじゃない?」

そう言うと、腕を組んだ冴子は背もたれに背中を預け、視線を上に流す。
脚を組み替えると、黒のストッキング越しに滑らかな肌のラインがちらりと覗く。

「あ、や……でも、その」

「恋愛だろうが、友人だろうが、職場で距離取りたいと思うこともある。私情が職場に反映されて困るなら……上司としては寄り添いたいです。その延長でトラブルに発展するのは避けたい」

「すみません……」

「ん。今日は会議入ってなかったと思うし、とりあえずここで仕事してなさい」

立ち上がりながら、冴子は「そういえば」と言う。

「佐藤くん、お昼はいつもどうしてるの?」

「あ……休憩になったら、コンビニに……」

「あたし、基本食べないんだけど。今日一緒にランチ行こうか」

ここは普段会議室として使われるため、飲み物以外、飲食は禁止だ。
ここで昼食をとることはできない。

「あたしと行かないと、席で食べることになるよ」

「あ」

頭の中に浮かんだのは、佳織の隣で昼食をとる自分の姿だった。
ふふっと笑って、冴子はドアノブに手をかける。

「キリのいいところで声かけて」

冴子はドアを開け放して、部屋を出ていく。
――冴子はここまで察することができる優しい人だったのか、と理央は驚いた。
体調が悪いのかと声をかけてくれたこと、たとえ恋愛のことだとしても、職場に私情が反映されるくらいなら、寄り添いたいと言ってくれたこと。
そしてあの口ぶりだと、自分が誰を気になっているか、何となく察しがついたのかもしれない。
だからこそ、普段昼食をとらないのに、今日は誘ってくれたのだろう。
上司として、より信頼する存在となったのは間違いなかった。
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