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魅惑~甘く溺れる身体と心。
第4章 蜜に溺れる身体。
 ◆



 あれからどれくらい歩いたのか、あたしはもう判らなくなっていた。
 唯斗さんは家に着くまでずっと無言のまま。
 唯斗さん、すごく怒ってる……。
 広い背中がずっとピリピリしてるから。

 あたしが連絡しなかったからだ……。
 あの大学生の男子たちを追いかけてまで懲らしめようとしてくれていた。
 それくらい、あたしのことを心配してくれたのだと思う。

 ごめんなさいなんて、安易な言葉で済ませられないと思ったのは、あたし、今もまだ疼いているから。

 ――そう。
 男の人にあたしが知らない感じる箇所を探られて、触れられて、みぞおちが疼いている。
 クリトリスを刺激された身体は快楽を知って粘液を分泌している。
 その蜜は太腿を伝って流れ続ける。
 あたしの身体は、紛れもなく悦んでいるんだ……。


「くそ! あいつら!!」

 唯斗さんに手を引かれ、やって来たのは一軒家が建ち並ぶ住宅街のひとつ。
 周りに少し木が植えられていて、家の屋根もペールピンク色の可愛い雰囲気の家々が並んでいる。
 本来ならこんな素敵な家に大好きな唯斗さんとふたりきりの生活は想像を遙かに超える嬉しい出来事。


 大はしゃぎするんだけれど、今のあたしには到底無理。
 男子ふたりに組み敷かれてあられもない姿で喘ぐなんて、そんな恥ずかしい場面を見られて、どうやってはしゃげるというのだろう。


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