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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第7章 それって嫉妬? 清楚系美人の恋敵登場。あたし負けないっ!
「邪魔すんなよ、俺と熱い抱擁を交わすとこだったのに」
「何が熱い抱擁だ。俺は認めない。それにさっきのは失言だろう。セクハラだぞ?」
「え~。保護者気取りかよ……ウザ。澪ちゃんを褒めてんの!」
「どっちがうざいんだよ、どっちが!」
え、どうしよう。
この状況。
唯斗さんと須藤さんの間にいるあたしはとても焦る。
さっきまで仲良くいたのに、これからチームでプレゼンがあるのにここで仲違いはいけない。
妙にあたしの使命感が疼いた。
「七瀬(ななせ)、やっぱいいよな、あんな子と付き合えていいよな森野は――」
言い合いをはじめた二人に対して、片桐さんは受付カウンターを見て呟いた。
カウンターに社員の男の人が肘をついて会話しているのが見える。
その人はどうやら姫実花っていう綺麗な女の人に好意があるみたい。
親しげに話していた。
一番大人な雰囲気の人かと思っていた片桐さんは、以外とマイペースな人っぽい。
不意なひとりごとにあたしはついつい聞き耳を立ててしまった。
だって一番聞きたくない単語が耳に入ってしまったから――。
お付き合い?
誰と誰が!?
「七瀬さんって……?」
――誰。
嫌な予感しかしない。
あたしが訊ねると、
「ほら、あの物腰柔らかそうな人」
須藤さんが指差しをして教えてくれた。
その人は、姫実花と呼ばれていた女の人だった。
唯斗さん、姫実花さんとお付き合いしているの?
ドクン、ドクン。
心臓が大きく跳ね続ける。

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